DAIMON'S

ビジネスをエンジニアリングする

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Business Engineering

スタッフほめほめシステム: お・も・て・な・しは、顧客からのPDCAからうまれる。

今夜も駅ナカのスタバでPCを叩いている。

 

スタバとは不思議なもので、

どの店舗にも一人や二人、必ず綺麗な店員さんやイケメンな店員さんがいる。

もとい、スタバの本質は、『サードプレイス』にあるので、

外面の美しさだけでなく、接客の受け答え一つ一つのクオリティが高いことが多い。

 

スタバでドキッとしたことは

『店内でお召し上がりですか?』ではなく

『店内でお過ごしですか?』と尋ねられたことだ。

飲食業ではなく、空間業。

まさに、自らのアイデンティティをわきまえた接客だ。

メンズのスタッフに、恋しそうになってしまった。

 

こんなときいつも思うのは、Facebookのように

いいね!

を押してあげたくなるということだ。

 

Facebookでは、(たいしたことない)投稿に

気軽に「いいね!」を押せるのに、

リアルな場では、全くできない。

 

『あなたのその応対、すごくスタバらしくてサイコー』

と褒めてあげられたらいいのだけど、

『なんだこの客、上から目線で』と思わるのではと躊躇する。

 

すると残すは、ぎこちない笑顔を振りまくだけだ。

じつは、これが一番気持ち悪く、

ミスコミュニケーションを生んでいるのかもしれない。


接客業のスタッフは、PDCAを回すのが、難しい。
酷い失態をおかせば、客からクレームが入るか、

上司や同僚から注意されるが、

「いいこと」をしたときに、フィードバックをうけにくい。

 

比較的長い時間、顧客と接点があったり、

対価が高い場合は別かもしれないが、

「アルバイト」が最前線をはれるような業務の場合、顕著だ。

 

しかし、これからのご時世、

「アルバイト」だから教育するのは勿体ない、コスパ悪い

と考えるのはナンセンスだ。

 

どれだけ本部が素敵なコーポレートアイデンティティを掲げても、

実際にオペレーションをするのは「アルバイト」。

顧客は、その対応から得られた感情をもとに評価する。

 

 

アルバイトの接客向上は必至なのに、

アルバイトはPDCAできない。

(費用対効果が測りにくい)アルバイトへの研修を
本格的に実施するのはコスパが悪い。

 

PDCAのきっかけは、他でもない『お客様』から

一番安価なPDCAのきっかけをつくってくれえるのが、顧客だ。

顧客は対価を払っている。一番シビアだ。

一方で、対価を払った自分を正当化したい根源的な本能により、

『良いサービスを受けた、と思いたい』という願望もある。

 

こうした顧客の感情を活用して、

スタッフのPDCAのきっかけとなるリアルな声を集め、

さらに企業へのレピュテーション(評価)を高めるのが
今回のアイデアだ。

 

●顧客とスタッフを「完全に」トレースする

まずは、顧客とスタッフを完全にトレースすることが大事だ。

『完全』にトレースする。

いつ、どこで、だれが、だれに、サービスを提供したか。

当然だが、現金だけのやり取りは廃止。

現金の場合は、個人の特定できるカード

(それはTポイントカードでもいいし、クレカでもいい)を

提示しなければ、サービス提供を受けられない。

 

スタッフのトレースは、スタッフタグのバーコードのほか、

位置情報をセンシングして、誰がどこでサービスを提供したかまで

トレースする。これは意外と簡単な技術だ。

(理想なら、顧客にも同様にトレーシングを実施したい)

 

ここまでくると、トレースできる情報の質は、圧倒的にあがる。

情報の量ではなく、質だ。

見えなかったものが、見えてくる。

 

●スタッフへのいいね!

誰が誰にサービス提供をしたかを紐づけられれば、

顧客は気軽にスタッフを「いいね!」してあげられる。

スマホを活用すれば、簡単だ。

 

始めは、「いいね!」を押すか、押さないか。

適度に押す/押さない が分かれる(=しっかり評価している)客には、

「なにがよかったか?」を尋ねる選択肢を表示する。

さらに、ごくまれに「フリーテキスト」の回答画面を表示してみる。

『このスタッフは育てたい × この顧客は有意義なコメントをくれる』

という条件がマッチしたときにだけ、表示させるのだ。
毎回表示されるより、有意回答率はあがるだろう。

これは、顧客とスタッフを完全にトレースするからできるのだ。

 

顧客は、そんなことするか?

する。 

 

復習しよう。顧客は、根源的に2つの側面を併せ持つ。

●顧客は、対価を支払いシビアな目線。

●しかしながら、対価を払った自分を正当化したいという感情

 

この感情を、いまの接客業は回収しきれていない。

 顧客とスタッフは、一時的な取引関係にすぎず、

長期的な関係性を築くに至っていない。

 

スタッフ一人一人とのやり取りから得られた感情の蓄積が、

そのサービス・企業へのロイヤルティを形成する。

 

研修で育成できることは、最前線に立つまでの基本所作までだ。

クレームが来ないレベルまで仕立てたら、

あとは顧客に褒められる経験を提供しなければいけない。

 

顧客は、もっと褒めたい。

『それは、情けは人の為ならず。』の基本原則のもとに事実なのだ。

 

褒めて伸ばす仕組みづくり。

(至極当然におもえる)そのシステムが、

これからの接客業には、重要なのだ。