機能特化型のベビーシッターが、お母さんを救う。
●専業主婦なら家庭は任せられる、わけではない。
職場の先輩が大変そうだ。
先輩(男)、奥さん(専業主婦)、子(小学生低学年)、子(保育園)の4人家族。
小学生の子供さんが入院することになった。
先輩は、今日も休日出勤。
奥さんは、入院に付き添わなければならない。
まだ3歳にも満たない、下の子は、どうすればよいのか?
夫婦ともども地元は九州の為、近くに頼れる身内はいない。
専業主婦だからといって、子供が複数いたり、
奥さんに用事があれば、家庭を守り切れるわけではない。
●主婦という、バラツキの多い仕事
「主婦」とは、そもそもバラツキの多い仕事だ。
外部環境に大きく左右される仕事とも言い換えられる。
*子供が熱を出した、怪我をした
*急に雨が降り、洗濯物が乾かない
*夫が急に帰ってきて、ご飯が欲しいという
*町内会の人が亡くなり、手伝いにいかなければならない
一家の問合せ窓口でもあり、
トラブルが起きた場合の初動部隊でもある。
普通に一日が過ぎれば、暇なときもあるが、
一度、トラブルが連鎖すれば、猫の手も借りたい状態になる。
普通の会社なら、「代役」「引継ぎ」があるが、
究極のオンリーワンである「妻」「母親」の
代わりを務めることは簡単ではない。
●プロの主婦 = アマチュアの集合体
主婦は、なぜ、代わりがいないのか。
それは、果たしている機能が多すぎるからだ。
そして、機能同士は複雑に絡み合っている。
お母さんでもあり、奥さんでもあり、
コックであり、看護師でもある。
各々は、アマチュアかもしれないが、
すべてを一手に担うのが、プロの主婦だ。
よしお君のお母さんと、ともこちゃんのお母さんが
確かに両方「お母さん」なのにもかかわらず、
はい、交代!ができないのは、
その家庭にあうように、
いろいろな機能を見事にチューニングされているからである。
●主婦を、因数分解する
忙しい主婦を助けることはできないのか。
例えば、ベビーシッター。
日本にベビーシッター文化が根付かないのは、
主婦とは、そもそも代わりのいない仕事だからだ。
そのなかで、日本にベビーシッター文化を根付かせようとする
企業が最近 注目されはじめた。
キッズラインというサービスは、いってみれば、
「暇な」主婦と、「忙しい」主婦を繋げるサービス。
このサービスが自らを「ベビーシッター」とだけ定義するのであれば、
このさき、生活者に受け入れられないかもしれない。
鍵は、主婦を因数分解すること。
主婦が困っているとき、
「自分の代わり」がほしいわけではない。
例えば、子供が熱をだして、病院に連れていかなければならないとき、
日頃に比べて、
一時的に「運転手」という機能と「看護師」という機能に割くエネルギーが増加することになる。
その反動で、下の子をみる「保育士」という機能と「料理人」という機能に割けるエネルギーが捻出できなくなる。
主婦をそれぞれの機能に因数分解し、
ピンポイントで代役を務めることができるならば、
非常にバリューのあるサービスになると思う。