『場所』を超えて。
●『場所』という概念
マッチングビジネスにおいて、重要な概念が『場所』だ。
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ば‐しょ【場所】
1 何かが存在したり行われたりする所。ある広がりをもった土地。「魚の釣れる―」「約束の―」
2 人がいる所。また、物が占めるために要する広さ。「立っている―もない」
3 相撲の興行をする所。また、その期間。「初―」
(出典:大辞林)
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最近流行りの Airbnb は、『空家』という『場所』で
宿泊客と貸し手をマッチングさせる。
移動業のUber だって、マッチングの原則は、
顧客が指定した『場所』だ。
ドライバーはその住所へ向かい、マッチングする。
それは当然のことなんだけど、
意外と大事な概念『場所』。
このさき、新しいビジネス(とくにマッチング)を考えるのであれば、
『場所』という概念を超えなければいけないなぁ、と感じるわけです。
●『場所』があればこそ、マッチできる
なぜ、『場所』という概念が必要なのか。
それは、『動くもの』 をマッチさせることは難しいから。
簡単な算数の話です。
どちらか1点が固定しているか、
ある目標点を共有しなければ、
2点がマッチすることはできません。
物事を単純化させるためには、
固定点としての『場所』が必要なのです。
●『場所』が内包するムダ
いまさらこんな当然のこと、と考えがちですが、
『場所』を介するサービスには、ムダが多い。
その『場所』に出向かなければならないムダ。
その『場所』に居続けなければならないムダ。
つまり、マッチングするという行為には、
裏を返せば、ムダを生じさせるポイントが起こりうるということです。
よくよく世の中を見渡してみると次のように分類できます。
1.マッチング それ自体が目的のサービス
就活、婚活、勉強会。
相互ニーズのある利用者が『会う』ということを通じてベネフィットを得る。
2.既存のマッチング のムダを最小化することが目的のサービス
通販。
スーパーという『場所』に行かなくても買い手と売り手をマッチさせる。
購買というマッチング自体には変わりないが、
利用者のムダを最小化している。
3.マッチング から生じるムダを埋めることが目的のサービス
パズドラ、スマートニュース。
スマホアプリの多くは、ムダな隙間時間をターゲットにしている。
●マッチングの連鎖、ベクトルという発想
よくよく見渡してみると、
3のサービスって、スマホアプリしかない。
しかも、時間を有意義に使うというより、
ヒマな時間を『埋める』ようなサービス。
ものすごーく、概念的で自分でも咀嚼できていないのだけど、
点でマッチングさせようとするのには、限界がある。
線で、面でマッチングさせるという発想。
『場所』という概念を超えると、新しいサービスが見えてくるのか、
そんなことを考えていました。