DAIMON'S

ビジネスをエンジニアリングする

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Business Engineering

医療・農業・メイカーズ。


課題先進国、日本。

 

日本は、これから衰退していくか。
そのような議論は、実は、いつの世でもされていて、
意外とその時は、訪れない。

 

しかし、いよいよその時が本格的に訪れようとしている。

総務省は26日、2015年国勢調査の確定結果を発表した。15年10月1日現在で、外国人を含む総人口は1億2709万4745人。前回10年調査から96万2607人(0・8%)減り、1920年の調査開始以来初めて減少に転じた。

2016年10月26日 朝日新聞デジタル


国力=国家の生産力は、人口に依存する。

必死に生産性、生産性と口にする人が多いが、
人の生産性を過信しすぎだ。限界がある。
ハードを積み替えれば2倍も3倍も生産性が変わる設備機器と違い、
人の生産性なんて、1.1倍になればイイほうだ。

つまり、人口が減れば、国力は減る。
これは、至極真っ当な命題である。


しかし、悲観的になる必要はない。

日本には、課題が沢山あるからだ。
しかも、その課題は、この先、世界中が経験する。


私が、数年前から定めているターゲットは、
医療・農業・メイカーズだ。

 

まず、医療。
医療の進歩は、人間の寿命を伸ばした。
しかしながら、いつかは死ぬ。
この当然の事実に目を向けることが重要だ。
生き長らえるということと医療の必要性の関係を。
健康寿命に着目した予防医療を含めた医療活動。
これは、まず日本が取組むべき課題だ。


次に、農業。
世界的には人口が増大している中、食糧問題はすでに顕在化している。
農産物ではなく、農業という農産物製造システムを輸出産業にすべきだ。

TPPで注目されたが、日本の農業には変化が求められている。
小泉進次郎氏が農林部会長として活躍されていることは期待したいが、
政治は政治の限界がある。
民間が強い推進力を持って変革をリードすべき局面だ。


最後にメイカーズ。個人製造業だ。
これまでは、マスを相手にしなければ、「スケール」しなければ、
製造業としてはやっていけなかった。
しかしながら、その少品種大量生産モデルに依存しなくとも、
儲けられる時代になってきた。テクノロジーも充実している。
生産力が限られた個人がモノづくりができれば、
それはインフラが整っていない土地でも実現できるということだ。

 


この3つの産業分野に共通することは、社会的に価値があることだ。
いずれも、この先、世界が経験する課題であり、その解決策だ。

 

そして、儲かる。必ず、儲かる。日本で、儲かる。


医療・農業・メイカーズ。
この社会構造だからこそ、取組むべきだ。



機械学習を学習する

巷で流行りを見せているIoTやAIの話題。
なんとなくロボットが自動で学習しているようだが、ロボットだってコンピュータ。

コーディングされたアルゴリズムにしたがって挙動する。

学習活動という挙動もアルゴリズム化されている。

この仕組みを知ることは、この先、IT分野で生きていく基盤知識になるはすだ。





2016年 IoT ことはじめ

●IoT:最もホットなキーワード…だが。
IoT …いま、世界で最も流行っているキーワードといってもいい。

IoT:「『もの』がインターネット/クラウドに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み」らしい。
モノのインターネット - Wikipedia

 

…要するに何なの?

 

●モノってなに?

「モノの」と言われても、なによ、その「モノ」って?

パソコン?家電?

Wikipediaには、「ここでいう『もの』とは、スマートフォンのようにIPアドレスを持つものや、IPアドレスを持つセンサーから検知可能なRFIDタグを付けた商品や、IPアドレスを持った機器に格納されたコンテンツのことである。」とあるが、

わかりやすく言えば、「数えられるモノ」すべてだ。

パソコンや家電、本や食器、人だって、IoTの“Things”と捉えることができる。

え?電化製品じゃなきゃ、無理だよって?

その発想は古い。古すぎる…。

 

●インターネットって?

インターネットって、毎日意識せずに使っているし、

あんまり深く考えたことないけど、なに?

わからなかったら、調べる。

インターネット - Wikipedia

…調べたら余計よくわからなくなることもある。笑

 

インターネットって、要するに「(すごい)コミュニケーションを実現するしくみ」。

 

●じゃ、IoTってつまり…?

モノとモノが(すごい)コミュニケーションするしくみのこと。

 

大切なことは、(すごい)の中身を誤解しないこと。

*遠距離のコミュニケーション

*リアルタイムなコミュニケーション

*大量のコミュニケーション

全部それぞれすごいけど、大切なことはなにか。

 

ビッグデータの観点:3つのV

IoTが本領を発揮するのは、

モノとモノが(すごい)コミュニケーションするから。

この(すごい)というところは、同じく流行りのワード「ビッグデータ」の観点から説明しよう。※IoTとBigDataは、切っても切り離せないからだ。

 

ビッグデータには、3つの要素があると言われている。

*Volume(量)

*Velocity(早さ)

*Variety(種類)

 

「ビッグ」という言葉から、Volume(量)ばかりに目が行きがちだが、

Velocity(早さ)と Variety(種類)のほうがむしろ重要だ。

 

 

 ●ビッグデータの目的:未来の予測

ビッグデータは、大量のデータを、短い時間で、様々な観点から、分析することで、

ものごとが起こるメカニズムを明らかにすることができる。

統計学が最強の学問である」という本や「データサイエンティスト」という職業が流行ったことも記憶に新しい。

 

●で、結局 IoT ってなに?

モノとモノが(すごい)コミュニケーションすることによって、未来を予測するしくみ」

って言い換えられるのではないかな。

 

いまのあなたの行動、周りの環境、そうしたデータを

*大量に

*リアルタイムに

 *様々な観点から

採取し、過去のデータとも併せて分析することで、

次のあなたのアクションを予測したり、

あなたとは全く別人のだれかのアクションすら予測したりする。

 

 

夢が広がるしくみ、それがIoTなんだ。

医療こそBigData:スルーしすぎている私たち

正直、この記事を見たときには、悔しかった。

自分が思い描いていたコンセプトは、
すでにここまで、Visibleなものになっていて、

テクノロジーは、そのコンセプトに追いつきつつある。

wired.jp

 

一方で、これは喜ばしいことでもある。

この次時代医療の黎明期に生きている私たちは、

大きな実りをもたらしそうなタネを持っているのだから。

活かすか否かは、今後のアクションに掛かっている。

 

●医療こそ、まずは、BigData!
医療業界は、クローズドな世界だ。

聖域という名のもとに規制に守られている。

聖域の中から外に出てくる情報は、限られている。

ICTの利活用が限定的になるのも当然だ。

お薬手帳」はいまだに紙の帳面。

「カルテ」も電子化こそ拡がりつつあるが、病院内でクローズ。

食べログで評判の良い居酒屋はすぐ見つかるが、

病院の良し悪しは、結局、運みたいなものだ。

多くの開業医は、自分の実績だけが頼り。

まさに、KKD(勘、経験、度胸)の世界だ。

 

要するに、医療業界の何が「いまの当り前」と乖離しているのか。

 

それは、

「実績の蓄積」と「共有」するしくみだ。

 

1年365日、その毎日、

何人もの人が、体調を崩し、

何人もの人が、病気と診断され、

何人もの人が、亡くなっている。

逆に、

 

何人もの人が、命を救われ、

何人もの人が、病状が収まり、

何人もの人が、元気を取り戻している。

 

 

この当たり前の出来事を、

(少なくとも、日本の医療制度のなかで生活する)私たちは、

スルーしすぎている。

 

このひとつひとつのデータを

利活用できるように蓄積することで、

未来を予測し、最適な対策を講じることで、

死ななくて良い人を、死なせることなく、

病気にならなくて良い人を、病気にさせることなくさせることができる。

 

その受け皿となるシステムが、この世界には必要だ。

 

 

 

スタッフほめほめシステム: お・も・て・な・しは、顧客からのPDCAからうまれる。

今夜も駅ナカのスタバでPCを叩いている。

 

スタバとは不思議なもので、

どの店舗にも一人や二人、必ず綺麗な店員さんやイケメンな店員さんがいる。

もとい、スタバの本質は、『サードプレイス』にあるので、

外面の美しさだけでなく、接客の受け答え一つ一つのクオリティが高いことが多い。

 

スタバでドキッとしたことは

『店内でお召し上がりですか?』ではなく

『店内でお過ごしですか?』と尋ねられたことだ。

飲食業ではなく、空間業。

まさに、自らのアイデンティティをわきまえた接客だ。

メンズのスタッフに、恋しそうになってしまった。

 

こんなときいつも思うのは、Facebookのように

いいね!

を押してあげたくなるということだ。

 

Facebookでは、(たいしたことない)投稿に

気軽に「いいね!」を押せるのに、

リアルな場では、全くできない。

 

『あなたのその応対、すごくスタバらしくてサイコー』

と褒めてあげられたらいいのだけど、

『なんだこの客、上から目線で』と思わるのではと躊躇する。

 

すると残すは、ぎこちない笑顔を振りまくだけだ。

じつは、これが一番気持ち悪く、

ミスコミュニケーションを生んでいるのかもしれない。


接客業のスタッフは、PDCAを回すのが、難しい。
酷い失態をおかせば、客からクレームが入るか、

上司や同僚から注意されるが、

「いいこと」をしたときに、フィードバックをうけにくい。

 

比較的長い時間、顧客と接点があったり、

対価が高い場合は別かもしれないが、

「アルバイト」が最前線をはれるような業務の場合、顕著だ。

 

しかし、これからのご時世、

「アルバイト」だから教育するのは勿体ない、コスパ悪い

と考えるのはナンセンスだ。

 

どれだけ本部が素敵なコーポレートアイデンティティを掲げても、

実際にオペレーションをするのは「アルバイト」。

顧客は、その対応から得られた感情をもとに評価する。

 

 

アルバイトの接客向上は必至なのに、

アルバイトはPDCAできない。

(費用対効果が測りにくい)アルバイトへの研修を
本格的に実施するのはコスパが悪い。

 

PDCAのきっかけは、他でもない『お客様』から

一番安価なPDCAのきっかけをつくってくれえるのが、顧客だ。

顧客は対価を払っている。一番シビアだ。

一方で、対価を払った自分を正当化したい根源的な本能により、

『良いサービスを受けた、と思いたい』という願望もある。

 

こうした顧客の感情を活用して、

スタッフのPDCAのきっかけとなるリアルな声を集め、

さらに企業へのレピュテーション(評価)を高めるのが
今回のアイデアだ。

 

●顧客とスタッフを「完全に」トレースする

まずは、顧客とスタッフを完全にトレースすることが大事だ。

『完全』にトレースする。

いつ、どこで、だれが、だれに、サービスを提供したか。

当然だが、現金だけのやり取りは廃止。

現金の場合は、個人の特定できるカード

(それはTポイントカードでもいいし、クレカでもいい)を

提示しなければ、サービス提供を受けられない。

 

スタッフのトレースは、スタッフタグのバーコードのほか、

位置情報をセンシングして、誰がどこでサービスを提供したかまで

トレースする。これは意外と簡単な技術だ。

(理想なら、顧客にも同様にトレーシングを実施したい)

 

ここまでくると、トレースできる情報の質は、圧倒的にあがる。

情報の量ではなく、質だ。

見えなかったものが、見えてくる。

 

●スタッフへのいいね!

誰が誰にサービス提供をしたかを紐づけられれば、

顧客は気軽にスタッフを「いいね!」してあげられる。

スマホを活用すれば、簡単だ。

 

始めは、「いいね!」を押すか、押さないか。

適度に押す/押さない が分かれる(=しっかり評価している)客には、

「なにがよかったか?」を尋ねる選択肢を表示する。

さらに、ごくまれに「フリーテキスト」の回答画面を表示してみる。

『このスタッフは育てたい × この顧客は有意義なコメントをくれる』

という条件がマッチしたときにだけ、表示させるのだ。
毎回表示されるより、有意回答率はあがるだろう。

これは、顧客とスタッフを完全にトレースするからできるのだ。

 

顧客は、そんなことするか?

する。 

 

復習しよう。顧客は、根源的に2つの側面を併せ持つ。

●顧客は、対価を支払いシビアな目線。

●しかしながら、対価を払った自分を正当化したいという感情

 

この感情を、いまの接客業は回収しきれていない。

 顧客とスタッフは、一時的な取引関係にすぎず、

長期的な関係性を築くに至っていない。

 

スタッフ一人一人とのやり取りから得られた感情の蓄積が、

そのサービス・企業へのロイヤルティを形成する。

 

研修で育成できることは、最前線に立つまでの基本所作までだ。

クレームが来ないレベルまで仕立てたら、

あとは顧客に褒められる経験を提供しなければいけない。

 

顧客は、もっと褒めたい。

『それは、情けは人の為ならず。』の基本原則のもとに事実なのだ。

 

褒めて伸ばす仕組みづくり。

(至極当然におもえる)そのシステムが、

これからの接客業には、重要なのだ。

日本のスゴイ物流システム:顧客は誰かを再考すればこそ 次なるステージへ。

●クリックから12時間で届ける、日本の物流システム

最近の通信費の高さ、そして何より大手キャリアのユーザで居続ける意味を見失ったことで、SIMフリー × MVNOに乗り換えることにした。
(本件に関しては、別エントリで投稿したい)

かねてから検討を続けていたが、どうやらZenFone2が良いらしい。

他にも、もっと低価格帯のプラスワン・マーケティングとやらのスマホや、

SONY Xperiaなども調べてはみたが、うん、ピンとこない。

 

よし、ZenFone2にしよう。

 

そう思い立ち、ヨドバシドットコムで発注したのが、日曜の朝。

 

そして、届いたのが、日曜夕方。

 

一昔前なら、7日間もかかったのか。といわれそうだが、

そう、12時間で届いてしまったのだ。

しかも送料無料。

ヨドバシカメラに、電車を乗り継いで買いにいくより安いのだ。

 

純粋に、スゴイ。と思った。

日本の物流システム、恐るべし。と。

 

●賢さが足りない『再配達』システム

日本の物流システムは、賢い。

クロネコヤマトが始めた小口配達というしくみは、

まさにイノベーションだ。

 

だからこそ、心から勿体ないと感じることがある。

それは、『再配達』だ。

 

会社から帰宅する、ポストを覗く。

『ご不在連絡票』だ。

 

『あぁ、何かネットで頼んだもんなぁ』

と思いつつ、受付時間も過ぎているので、明日電話しようと

鞄にいれておく。

 

次の日、帰宅してポストを覗く。

『ご不在連絡票』だ。

あっ、電話するの忘れていた。また明日…。

 

こうしている間、宅配便のドライバーは、

同じ荷物をもって、何度も訪れる。

ご不在連絡票に記された時間は、午前11:00。

自宅に、いるわけがない。

それでも何度も訪れる。

なぜなら、それが仕事だからだ。

マニュアルで決まっているのだろう。

『3回は訪問しなさい、それ以降は、営業所預かり』と。

 

今日は早く帰宅できたと、受付時間ぎりぎりに電話する。

ドライバーに直接つながる携帯電話番号をコールする。

『いま近くにいらっしゃれば、届けてもらいたいのですが。』

『…すみませーん。いまそちらの荷物は営業所でして。明日のご都合は…』

 

ここまでくると、私の家に来る他の理由があるのかと疑いたくなるほどだ。

薄々、不在であることを感じながら、何度も何度も、平日昼間に玄関のチャイムを鳴らす。

『ご不在連絡票』を届けるためだ。

きっと届けられた荷物より、ご不在連絡票を届けた数のほうが多いのではないか。

ここに圧倒的なムダがある。

 

●『顧客は、発送元』という勘違い。

なぜ、こんなムダが生じるのか。放っておかれるのか。

背景は、意外と根深く、厄介だ。

最も根源にあるのは、

『顧客は、発送元』であるという認識だ。

 

たしかに、発送元が荷物を預けてくれるから、

物流業者は仕事ができる。

サービスの対価を支払ってくれるのも、発送元だ。

だから、顧客は、発送元。

至極当然だが、この認識が、再配達のムダを生み出し、

そのムダがいつまでも放置されつづける原因だ。

 

●サービスの基本的なバリューは、『荷物を預かること』ではなく、

 『荷物を届けること』という当然に立ち返る

宅配業者は、倉庫業者ではない。

荷物は届かないと意味がない。

しかし、実際は、複数発送割引や集荷サービスなど

発送元へのアプローチが目立つ。

『荷物を(楽に)(早く)(安く)預かる』サービスがある一方、

発送先のサービスは充実しているとはいえない。

 

『荷物を届けること』というサービスであるならば、

発送元と発送先をセットで顧客として捉えなければならない。

 

実際、ネットショッピングをすればわかるが、
『送料』であると明示的であるかは別として、

発送先は、発送元に『荷物を届ける』サービスの対価を先払いしている。


いま、ネットショッピングの決済画面で、

宅配業者を選べるショップが拡大している。

 

宅配業者の顧客はだれか?

真剣に再考したほうがいい。

 

Amazonのチャレンジ

Amazonが、AudiとDHLと提携し、

興味深いサービスを開始した。

不在の時は、
自分のクルマのトランクに届けてもらうというものだ。

www.itmedia.co.jp

 

このサービスは、『荷物は届けないと意味がない』Amazonだからこそ

始めることができたサービスだ。

ネットショッピングユーザがみな車を保有していないだろうから、

これで万事OKというわけではなさそうだが、

『発送先も顧客だ』という認識は、更なる改善や次なるサービスを期待させる。

 

●『顧客に届け切ること』に着目し、システム化しよう

『届けきれない』背景をサマリしよう。

<考え方>

*(唯一の)顧客は、発送元。

<しくみ>

*高度にシステム化された『集荷』と『(営業所まで)移送』

*サービスのエンド『届けきる』ところはドライバー任せ

*再配達のコスト(リスク)も含めた料金体系と過剰倉庫

*顧客データベースは、『発送元』だけ

*再配達を依頼窓口は、電話か(生活者向けとは思えないUIの)WEBサイト

 

まずは、詳細に『発送先』のデータベースを構築しよう。

*いつなら在宅しているか(一発で届ける)

*LINEのIDはなにか(しっかり、お知らせする)

*勤務先はどこか(小さなものなら勤務先に届けてくれたほうが便利)

*通勤はどこか(途中のコンビニで受け取ってもらえる)

*家族や友達や恋人は近くに住んでいないか(代理で受け取ってもらえる)

*女性か男性か(女性宅には女性ドライバーが配達)

 

真剣に取組めば、配達率は向上する。

配達率向上は、単なるコスト削減にとどまらない。

 

認識をあらためよう。

『宅配業者も選ばれる時代』であること、

そして、選ぶのは『発送先』であるということを。

『場所』を超えて。

●『場所』という概念

マッチングビジネスにおいて、重要な概念が『場所』だ。

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ば‐しょ【場所】

1 何かが存在したり行われたりする所。ある広がりをもった土地。「魚の釣れる―」「約束の―」
2 人がいる所。また、物が占めるために要する広さ。「立っている―もない」
3 相撲の興行をする所。また、その期間。「初―」
(出典:大辞林

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最近流行りの Airbnb は、『空家』という『場所』で

宿泊客と貸し手をマッチングさせる。

移動業のUber だって、マッチングの原則は、

顧客が指定した『場所』だ。

ドライバーはその住所へ向かい、マッチングする。

 

それは当然のことなんだけど、

意外と大事な概念『場所』。

このさき、新しいビジネス(とくにマッチング)を考えるのであれば、

『場所』という概念を超えなければいけないなぁ、と感じるわけです。

 

 

●『場所』があればこそ、マッチできる

なぜ、『場所』という概念が必要なのか。

それは、『動くもの』 をマッチさせることは難しいから。

簡単な算数の話です。

 

どちらか1点が固定しているか、

ある目標点を共有しなければ、

2点がマッチすることはできません。

 

物事を単純化させるためには、

固定点としての『場所』が必要なのです。

 

 

●『場所』が内包するムダ

いまさらこんな当然のこと、と考えがちですが、

『場所』を介するサービスには、ムダが多い。

 

その『場所』に出向かなければならないムダ。

その『場所』に居続けなければならないムダ。

 

つまり、マッチングするという行為には、

裏を返せば、ムダを生じさせるポイントが起こりうるということです。

よくよく世の中を見渡してみると次のように分類できます。

 

1.マッチング それ自体が目的のサービス

就活、婚活、勉強会。

相互ニーズのある利用者が『会う』ということを通じてベネフィットを得る。

 

2.既存のマッチング のムダを最小化することが目的のサービス

通販。
スーパーという『場所』に行かなくても買い手と売り手をマッチさせる。
購買というマッチング自体には変わりないが、

利用者のムダを最小化している。

 

3.マッチング から生じるムダを埋めることが目的のサービス

パズドラ、スマートニュース。

スマホアプリの多くは、ムダな隙間時間をターゲットにしている。

 

 ●マッチングの連鎖、ベクトルという発想

よくよく見渡してみると、

3のサービスって、スマホアプリしかない。

しかも、時間を有意義に使うというより、

ヒマな時間を『埋める』ようなサービス。

 

ものすごーく、概念的で自分でも咀嚼できていないのだけど、

点でマッチングさせようとするのには、限界がある。

線で、面でマッチングさせるという発想。

『場所』という概念を超えると、新しいサービスが見えてくるのか、

そんなことを考えていました。